音響栽培
「クラシック音楽を聴かせたトマトは甘みが増す」とか
「罵声を浴びせたリンゴは早く腐った」
「きれいに咲きなよと毎日話しかけた花は本当にきれいに咲いた」
という話を聞いたことがあるでしょうか?
音楽が植物や果物に与える効果を科学的に証明することはなかなか難しく、いくつか実験を行った結果を拝見しましたが、標本数や実験回数が少なすぎて完全に証明できたとは言い難いところがあります。
しかし、音楽を聴かせる栽培は昔から行われていて、苺・葡萄・お茶・梅干し・酒・米・味噌などたくさんの商品が販売されています。
さて、
「物質には固有振動と呼ばれる特定の周波数(固有周波数)で振動する性質がある」
「物質の固有周波数と同じ周波数を外部から加えると物質は激しく振動する(共振・共鳴)」
という現象があります。
ブランコを漕ぐ時に一定のリズムで漕ぐと揺れはだんだん大きくなりますが、それよりも早かったり遅いリズムで漕ぐとブランコは止まってしまいますよね。
あの一定のリズムが固有周波数と同じなので共振して大きく振動するのです。
植物では音楽の周波数による共振で道管を通る水が通りやすくなったり、気孔の開閉が活発となり光合成活動が促進されると考えられています。
スピーカーから出た音によって植物自体が振動するイメージですね。
ところで、耳を持たない植物は音を聞くことはできませんが本当でしょうか。
音楽ソフトにはおなじみのCDとハイレゾというものがあり、CDは人間が聞き取れない超音波がカットされていて、ハイレゾはカットされずに記録されています。
その両者を聴き比べてみると違いが分かります。聞こえない超音波が記録されているハイレゾのほうが立体的でディテールの表現力などが向上しているように聞こえます。
人間の聴覚で直接「音」として聞き取ることはできなくても、体のどこかのセンサーが感じ取ってくれているからこそ音質の差として認知できるのではないでしょうか。
もしかしたら植物にも「耳」ではないセンサーがあって、音を感知しているのかもしれません。
まだいろいろと解明されていないこともありますが、植物も人間もリラックスできるように自然楽器で奏でる音楽を、共振しやすいと思われる低音域まで再生しています。
クリーンな栽培環境
農薬不使用、有機質肥料を用いて可能な範囲で化学肥料を抑えて、雑草の繁殖と害虫の侵入を抑えたクリーンな環境で栽培しています。
虫がいないということは、彼らによる受粉のお手伝いも期待できませんので、花粉を3本の雌しべに一個一個手作業で付けて回ります。
また、パッションフルーツは葉や花芽にある蜜腺から蜜を出して虫たちを誘います。
でもここには訪れて蜜を持ち帰ってくれる昆虫がいないので、受粉作業をしていると手が蜜でベトベトになります。舐めるともちろん甘いです。
パッションフルーツの果実は収穫時期が近づくと勝手に落下してしまいます。
地面に落ちた衝撃で果肉が皮から剥がれ、酸っぱくなってしまうことがあります。
時には赤くなる前に落下してしまうものもあり、落ちないようにピンチで固定して樹上で完熟するまで待ってもらっています。
それでもビッグサイズのものは重すぎて落ちてしまうものもありますので、更にネットを掛けて落下から守っています。